岐阜県各務原市川島竹早町にある内藤記念くすり博物館。
ここで最近初めて公開された漢方薬が話題を呼んでいます。
徳川幕府に滋養強壮薬として献上されたという
ニベ科魚類の耳石です。
ニベ科魚類の耳石とは?
備前岡山藩の第6代藩主池田斉政公(1773 ‐ 1833)が
寛政 6 年 (1794) から享和元年 (1801) の 8 年間に
徳川幕府 ( 第11代将軍家斉 ) に生薬として献上した
ニベ科魚類の耳石が添え書きと共に公開されています。
『ニベ』というお魚の『耳石』という部分が
生薬として使われていたようですね。
でも、『ニベ』っていうお魚 あまり聞き慣れない名前。。
見た目はこんな感じ↓
よく食べられているスズキの仲間だそうで
種類によっては2mにまで達するものもいるそう。
そして耳石というのは頭の中に左右対称にある骨の事です。
いろんな魚がこの耳石を持っていて大きさも様々。
魚の耳石には年齢を重ねていくと木の年輪のように
『日輪』と呼ばれる細かい線が刻まれていきます。
このような魚の『耳石』を集めている方もいるようです。
様々な耳石を紹介しているブログ→【一魚一石】
生薬としての耳石
滋養強壮薬として徳川家に献上されていた
と言われているニベの耳石ですが
どのような効能で献上されていたかを
記した書付は何も残ってはいないといいます。
ですが中国の書物伍・金・倪※によると、
ニベの耳石粉末には
静熱去瘀
通淋利尿(結石)
化膿性中耳炎
慢性鼻炎
淋病等の病状に効能があることが示されています。
※(伍漢霖, 金鑫波, 倪勇:“中国有毒魚類和薬用魚類”)
またRead※によれば、
ニベの耳石粉末が
Gonorrhoea(淋病)
Suppression of urine(尿抑制剤)の治癒
や砒素、魚毒、きのこ中毒の解毒剤として効く
との記述が残されています。
※Read B.E. :“Chinense material medica fi sh drugs” 1-136 (1939) (Pekin,China).
徳川将軍家の時代の医学事情
当時、享保の改革で8代将軍吉宗は
医学制度と医学の発展に尽力していたと言います。
そして国内の医師を結集して
「訂正東医宝鑑」を
幕府刊行物として出しています。
この中にも様々な生薬についての記述があるといいます。
そんな時代に将軍様が使っていた精力剤は
なんとオットセイ。
こちらの効果についても調べてみたいですねww
参考サイト:
この記事を書いた人
-
☆国際医療福祉大学薬学部5年生。
☆濱庭球株式会社代表取締役。
☆横須賀出身の28歳
株・投信や不動産で学費・生活費を稼ぎながら現在に至ります。
夫との共通の趣味であるビーチテニスで学生起業し、学業との両立に四苦八苦しながら東京から栃木の大学に通っています。
将来は《薬剤師×食》で事業を起こしたい!と密かに企んでます。
最近書いた記事
- イベント報告2014.08.25医療系学生の文化祭☆Medical Future Fes
- スタッフ:コジゆき2014.06.04リウマチ登録薬剤師が新登場☆10月から
- スタッフ:コジゆき2014.04.25免疫が苦手な人必見☆新抗体物語
- スタッフ:コジゆき2014.04.18最強医療軍団☆Team コメディカル☆イベント