私が薬学生起業した理由①はこちら

私が薬学生起業をした理由　続き☆です。

その瞬間は突然やってきました。

 

当時私は大学１年生。

１９歳でした。

東邦大学理学部へ入学し

研究職になるんだ！という夢を持ちながらも

入部した空手部で練習に明け暮れ

毎日友人や先輩と飲んだくれ

いわゆる〈華の女子大生〉生活を謳歌しているところでした。

（若干汗臭かったですが・・・）

 

 

そして看護師だった母が夢だったマイホームを新築し、

これまた夢だった正看護師に合格し

まさに順風満帆！！というところでした。

（母は私が小学生の時に準看護師の資格を取り

私が高校入学するのと同時に正看護師の学校へ入学していました。）

 

 

父が亡くなってから約６年が経ち

母と娘二人の生活がやっと軌道に乗ってきた、

そんな風に感じていた矢先の出来事でした。

 

リビングに置かれた一冊の本

 

夏の終わり。

 

空手部の合宿から帰ってきたものの

バイトと遊びに忙しく、家に全然居なかった私。

 

帰宅するとリビングに一冊の本が置いてありました。

題名は

『がん患者のための免疫アップレシピ』

 

何気なく私は母に「仕事で使うの？」と聞きました。

しかし母は

『私ががん患者だから買ってきたんだよ』

と、前置きも無く言われました。

この瞬間の事はよく覚えています・・

（今思えば、どう私に伝えようか・・・

さんざん悩んだ上での方法だったのかもと思います）

 

 

全く理解できない私に母は続けて、

『乳癌で肺に転移が見つかった』

『ステージ４だから５年生存率はかなり低い』

と私に言いました。

 

医療従事者特有なのでしょうか。

ものすごく落ち着いて自分の状態について

分析・考察し私に話してくれました。

 

そして勤務先の看護部長と一緒に

セカンドオピニオンも聞きに行くとも。

 

私はただ『そうなんだ・・』と言うしかできませんでした。

私はものすごく混乱していました。

 

今ある生活がずっと続く事を疑いもしていなかったあの日々。

 

『それ』は確実に母の身体を蝕んでいました。

その日を境に何もかもすべてが180度ひっくり返りました。

 

何よりもショックだった事

 

それは、混乱し、真っ白になった頭の中で

真っ先に浮かんだ事が

 

『母が働けない、死んでしまうかもしれない』

『そうしたら私は大学に行けなくなる。』

だった事です。

 

母の身体の事よりも何より先に

自分の目先の生活についての不安が

真っ先に浮かんでしまった事。

 

この事に対してものすごく今も自己嫌悪してしまいます。

本当に危機と対峙したとき、考える事。

それは、その人その物な気がしてならないのです。

その③へつづく・・・

→私が薬学生起業した理由③大学中退という決断

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