先日、大学で卒業試験合格発表がありました。

その結果によると、約６０人の人達が卒業試験不合格
のため来年春に行われる

『第99回薬剤師国家試験の受験資格がない』

ようなのです。

とても衝撃的な数字ですよね。

私はこの結果に少し違和感を覚えました。

６年間ちかく（それ以上の人も）
大学の授業、試験、課題、実習・・・
定められた『カリキュラム』の通り受け続けてきました。
出席等も厳しく、融通も聞かない場面も薬学部には多々あります。

その中で頑張り続けてきた学生に、
卒業要件を満たさない事を理由に
国家試験受験資格を与えない事が果たして正しいのか。

全体の約半数近くの学生に対して
適切なフォローを行えなかったという
大学側にも責任があるのではないか・・・

と感じてしまいました。

本当に国家試験に合格できる人数

しかし同じような事態が
全国の薬科大学で生じていると聞きました。

この問題を考えるうえで重要なポイントは

大学が発表する国家試験合格率

と

卒業試験留年などを含めた

真の国家試験合格率

の間にある大きな差のように感じられます。

【合格者数／入学者数】に着目した
国家試験合格率を
算出しているサイトがありました。

以下のグラフはこちらのサイトから
引用させて頂きました。

薬剤師国家試験合格率研究所
http://www3.plala.or.jp/atropine/kokusikennkyuu.html
このサイトの注意書：真の薬剤師国家試験合格率といえど、完璧な数値、絶対的な数値ではありません。それは、旧設大学では、薬剤師国家試験を受ける浪人の人もいますし、留年の人もいますし、大体のデータしか算定できません。

以下のグラフから、二つの合格率の大きな差が見て取る事ができます。

大学の経営において学生を集める事はとても重要な事です。

そのためのアピールポイントとして国家試験合格率は
受験生や保護者からしてみれば第一判断基準です。

ですが、受験生や保護者の人達は
大学側が示した合格率の事を
入学した人数の中の数字だと思うのではないでしょうか。

実際の所は違います。
この『差』について、大学側はしっかりと
事前に説明を行わないという事は
問題だと感じました。

この問題の解決なくしては

今回のような卒業できるできない
国家試験受けさせる受けさせない

などの問題は解決できないのでは、と感じます。

出願期限と最終卒業試験

さらに問題だと考えられるのは
『出願時に卒業見込みでなければ国家試験受験資格は無い』
という厚生労働省が定めた内容についてです。

多くの大学
卒業試験不合格者の救済措置として
最終卒業試験なるものが設定されているそうです。

これに合格すれば卒業資格は与えられるそうです。
しかし、その卒業資格が与えられる時期が問題なのです。

大学内での出願締め切りは年内。
厚生労働省の締め切りは来年１月１７日。

ですが、この卒業資格が与えられるのがそれら以降なため
出願時に卒業見込みでなければ受験資格はない
ため、出願できないというのです。

しかもこの試験、受験は自由。
難易度は不明ですが、卒業だけならさせてあげるよ
っていうメッセージを感じてしまいます。

うーん、なんかちょっと意地悪されてるみたいですよね＞＜

国家試験受験は誰の権利か

私は間違いなく学生の権利だと思います。

同時に卒業要件を満たせず受験できない現実も
学生の自己責任だとも思います。

ただ、大学側の合格率コントロールのために
受験させないというのは間違っているように感じます。

しかし、本当に薬剤師の未来、学生の将来を考えて
日々教鞭をとられている教員の方々もたくさんいます。

毎日必死に勉強している学生もたくさんいます。

このような人達の努力が早く実を結べるように
日本の薬学教育現場にある問題点が
解決される事を願うばかりです。

 

そんな私も現在５年生です。

年が明けてⅢ期の病院実習が終われば

卒業試験の荒波に突っ込んでいきます。

勉強・・・頑張ります！！！

にゃ！！！