こんにちは!こじゆきです^^♪
ペットボトルリサイクル製品に医薬品が登場するかもしれません。
【ペットボトルのプラスチックが治療薬に IBMが開発】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1312/11/news096.html
米IBMとシンガポールのバイオ工学・ナノテクノロジー研究所は12月9日(米国時間)、飲料ボトル由来の廃プラスチックを真菌感染症の治療薬に変える技術を開発したと発表した。成果は「Nature communication」に掲載された。
なんとなんと、ごみとして廃棄されていたペットボトルから
真菌感染症治療薬を作れるようになったというのです。
ペットボトルのリサイクルってカーテンやフリース等の繊維製品や
卵のパックとかが一般的に知られているところ。
まさかの医薬品?!
PETから抗菌薬に使える新しい分子を作る
※PETとはポリエチレンテレフタラートの略
この研究では、有機分子触媒※プロセスを用いて
飲料ボトル由来の廃プラスチック(PET)を
抗菌薬に転用可能な新しい分子に転換することを目指しました。
開発された新しい抗菌剤は、水素結合を通して自己組織化します。
それはポリマーのような性質を示す分子マジックテープのように、
分子が互いにくっつき合う事で、ナノファイバーを形成します。
これはファイバーあるいはポリマー様の形状においてのみ
抗菌活性を示すのだといいます。
※有機分子触媒とは
金属元素を含まず、炭素・水素・酸素・窒素・硫黄などの元素から成る
触媒作用を持つ低分子化合物のこと
真菌感染症治療における問題点
一体なぜペットボトルを使った創薬研究が始められたのでしょうか。
そこには真菌感染症治療の難しさがありました。
真菌感染症は、局所皮膚疾患(水虫など)から
重篤な症状になる真菌性血液感染症に至るまで、
毎年10億人を超える人々が感染しています。
しかしHIV/AIDSやがんなどの疾病、あるいは抗生物質による
免疫機能が低下してしまう治療を行っているときに
発症してしまう事が多いのです。。
そうした問題を少しでも減らすために、
効率的で疾患特異的な抗菌薬の開発が求められているのです。
しかし、従来の抗菌治療法では、薬剤が細胞の中に入って
感染部位を攻撃する必要があります。
真菌の細胞膜壁を標的とし、侵入するのは困難でありました。
また真菌類は代謝的に哺乳類の細胞に構造が類似しているため
健康な細胞と感染した細胞を区別することができないという
課題もありました。
薬剤耐性菌出現も押さえる抗真菌作用の仕組み
真菌は負電荷を帯びた細胞膜を持っています。
このナノファイバー抗菌剤は正電荷を持ち、
負電荷を持つ真菌の細胞膜だけを選択的に狙います。
そして細胞膜壁を破壊する、という仕組みです。
そのため真菌が進化して薬剤耐性を持つことも
防ぐことができるといいます。
さらに、研究のなかでナノファイバー抗真菌剤の分子集合挙動を
シミュレーションし、どの分子構造の変化が目的とする治療効果を
もたらすかの予測を行ったそう。
するとナノファイバー抗菌剤の最小発育阻止濃度※は、
複数タイプの真菌感染に対して強い抗真菌活性を示す値となったといいます。
例えば、「カンジタ・アルビカンス(C. albicans)」は米国で
3番目に多く見られる血液感染症を引き起こす真菌ですが
ナノファイバー抗菌剤との1時間の培養後には99.9%以上が除去されました。
11度の反復試験後も薬剤耐性の発現は見られなかったといいます。
対照として使用した既存の抗真菌薬も細菌増殖を抑制することはできましたが
6回の反復試験後、薬剤耐性が現われたといいます。
※抗菌薬剤が視認できる細菌増殖を抑制する最小濃度のこと
今後も実用化に向けて研究は進められていくそうです。
医療の発展とゴミ問題がつながる素敵なアイディア。
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