暗殺を恐れたフリードリヒ2世
時はさかのぼること1240年。
シチリア島の皇帝フリードリッヒ2世が薬事に関する法律「医薬分業」と「薬事監視」を定めたことからはじまりました。
フリードリヒ2世は、「毒薬による暗殺」をとても恐れていました。当時、毒薬による暗殺がとても多かったようです。
そこで、医師とは無関係の薬剤師(他人)にお薬を作らせ、毒薬が紛れ込んでいないかをチェックしてもらうことを思いつきました。
医師が処方箋を書き、薬は、医師とは無関係の薬剤師に調剤させて、毒薬のチェックをしてもらう。これで、安心して、自分が薬を服用できるようにしたようです。
これが、医師の「処方権」と薬剤師の「調剤権」を切り離した「医薬分業」の起源です。
薬剤師は、王さまの命を預かるような、とても信頼されている職業だったということです。
歴史から考える今の薬剤師
ここでいう王さまは、今で言うと一般の患者さんのことですね。
患者さんは、医師が書いた処方箋を、薬剤師の元にもっていきます。
薬剤師は「毒薬」・・・とまではいかなくても、その処方箋にかかれた薬が本当に正しいかどうかをしっかりとチェックしなくてはなりません。
なぜなら、王さま(患者さん)の命を預かっているのですから。ミスなどは許されません。
昔、王さまが薬剤師に抱いていた大きな信頼。
現代の患者さんは、薬剤師のことをそれだけ信頼しているでしょうか??
医師は100%完全でミスがない人間ではありません。
処方箋の記載が100%正しいとは限りません。
薬剤師の大きな責任の1つは、そのミスを100%みつけること。正しいお薬を選択することです。
その方にとって毒薬になるようなものが万が一あれば、すぐに見つけ、確認し、変更・取り消しをしなければなりません。
それだけ、薬剤師の仕事は責任重大なのです。これが「医薬分業」にした大きなメリットだと思います。
かつて、王さまが抱いていた薬剤師への信頼の厚さと同等の信頼を、今の患者さんにもってもらえるように努力していきたいですね♪♪
以上です。
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