未来の薬剤師の可能性②~バイタルサインをチェックする時代到来~

やくたま

薬剤師がバイタルサインをチェックする時代到来

薬剤師の新しい職能の1つとして、薬剤師がバイタルサインに取り組むことが挙げられます。

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薬剤師が直接患者さんに触れること、医師法に触れるんじゃないか?という問題もある中、薬剤師がバイタルサインに取り組むことが医療において重要な意義をもっていることと思います。

 

記事抜粋

<下記、とても分かりやすく書いてありましたので、病薬アワー 2011年4月25日放送分 薬剤師が取り組むバイタルサイン ファルメディコ株式会社 代表取締役社長 狭間研至 より抜粋させて頂きました>

薬剤師がバイタルサインに取り組む意義とは・・・

「副作用が出ていないかどうか」、そして「薬剤の作用が発現しているかどうか」を薬剤師の視点からチェックすることです。

薬剤師は、法的にも「調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどる(薬剤師法第1条)」ものであり、医療法でも「医療従事者」として定義されています。また、薬剤師のミッションとして「医療安全の確保」と「医薬品の適正使用」が挙げられており、これらを達成するためには、この副作用チェックと効果の発現の確認を薬剤師自身で行う必要があります。

副作用のモニタリングとバイタルサイン

医薬品の副作用にはいろいろなものがあります。自覚症状や血液検査など種々の臨床検査データで把握できるものも多く、いままでの薬剤師は、患者さんへの問診や、家族や介護スタッフ、看護師さんからの聞き取りでチェックされてきたのではないかと思います。

しかし、それでは不十分ではないかと感じます。医師は、副作用に関して、最新の注意を払って診察しているとは思いますが、やはり、患者さんのバイタルサインや身体所見をチェックすることでわかる副作用も、循環器系や呼吸器系などたくさんあります。

薬剤師の患者さんへのボディタッチやバイタルサイン採集、フィジカルアセスメントの実施については、「医師のみが医業を行う」ことを定めた医師法第17条との関連を気にされる方も多いと思います。しかし、医業とは「医行為」の「反復継続」が条件であり医行為とは「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為」(厚生労働省医政局長通知、医政発第0726005号)であることを考えれば、薬剤師によるバイタルサイン採集については問題ないというコンセンサスが得られつつあると思います。

また、「薬剤師が人の体に触れてはならない」という明確な禁止規定が存在せず、薬剤師のミッションが「医薬品の適正使用」と「医療安全の確保」であることを考えれば、副作用モニタリングを目的としたバイタルサインチェックとそれらに基づくフィジカルアセスメントは、「薬剤師が実施できる業務」として考えて良いといえるでしょう。

新しい薬剤師の立ち位置

これからの地域医療において「高齢者の薬物治療」が主流となっていくことを考えると、薬物動態学や製剤学の知識を持った薬剤師が、医師と協働して治療にあたることは、病院・薬局を問わず非常に意義深いと思っています。

処方監査ではなく、最善の処方を医師が出せるように、薬剤師が自分の専門知識と技術を活かして事前に情報を提供・共有する。私は、薬学教育6年制時代を迎えた薬剤師の新しい職能の一つは、まさに、この部分にあるのではないかと考えています。

<抜粋以上>

いかがでしょうか??

今後の高齢化社会で、ますます在宅医療の需要が増えることはほぼ間違いないことでしょう?

そのような今後の社会の中で、薬剤師が積極的に、在宅チーム医療の一員として活動していくためには、バイタルサインをチェックし、いち早くお薬の効果、副作用情報を察知し、医師、看護師に情報共有することは重要な役割の1つだと思います。

「街の薬局」という患者さんにとって、「身近な存在」となりつつ薬剤師。

まだまだ少ないかもしれませんが、「薬のことは薬剤師の方に聞く」という意識を持たれている患者さんは増えてきました。お医者さんには聞けないけど、あなたには何でも言えるわ!と気軽に相談されることもあります。

そのような中で、「問診」「聴き取り」に加え、「バイタルサインのチェック」をすることにより、お薬による副作用を早く感知し、未然に被害が大きくなることを防ぐことができるのではないでしょうか?

また、前回の記事、未来の薬剤師の可能性①~リフィル処方せん~でもお話したことにつながります。

リフィル処方せんの制度を導入するためには、薬剤師によるバイタルサインのチェックは不可欠なのです。バイタルサインのチェックなしでは、リフィル処方せんの導入はありえません。

幅広い薬の知識と、病態についても、医師同様の知識が必要となってきます。今後、薬剤師が新しい職能を増やしていくには、さらなる日々の勉強あるのみかと思います。

「僕は、目の前に倒れている人を助けることができるのが医療人だと思っています。」

今の薬剤師はどうでしょうか?目の前に倒れている人を助けられますか?緊急的に処方も出せない、注射も打てない、治療もできない、バイタルチェックもできない、何もできません。人によっては、救急救命の講習すら受けたこともない薬剤師もいるかもしれません。

少しずつ、目の前に倒れている人を助けることができる薬剤師を目指していきたいです!!

参考までに・・・・

こちらで一般社団法人 日本在宅薬学会が、バイタルサイン講習会を開催しております。ご興味ある方は、ぜひご覧ください。

ちなみに、「やくたま」でも今度、「バイタルサイン講習会」を開催する予定です!企画しています。

 

この記事を書いた人

薬剤師のたまご、たまり場やくたま
薬剤師のたまご、たまり場やくたま
☆薬剤師のたまご、薬剤師のたまり場
☆2012年発足
熱き薬学生・薬剤師が集まったら何ができるのか?受け身から積極的な薬剤師へ!いざスタート地点、やくたまイベントへ集え!

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