問題!虚証に使う漢方は?

やくたま

はじめまして!

やくたまスタッフのキムラです。
医薬品学習研究所の中の人をやってます。
あっ、詳しい事は以前やくたまブログにも書いてありますので、こちらも参照してくださいね。

調剤併設ドラッグストアを経て、現在は病院で働いています。
そして、薬クイズという薬剤師向けのアプリを開発しました。
日々、どうしたら薬剤師が現場で使える知識を効率よく得られるか考えています。
そこで、ブログでもちょっとした勉強、もしくは、自分の苦手な分野の気付きが得られれば、と思って、ブログ始めます。
これから、1ブログ、1問題でクイズを出していきますので、よろしくお願いします!

私、30代だけど、体は40代。
体は虚弱体質。
東洋医学で言うところの、『虚証』です。

そこで、問題!!

私の様な『虚証』に使用しない漢方薬はどれ?
1、六君子湯
2、補中益気湯
3、小建中湯
4、葛根湯

簡単ですか?これくらいのレベルで続けていこうと思ってます。
ちなみに私、昔から年上に見られます。
高1の時は高3くらいに、社会人になっても、実年齢+2歳程度に見られてるかもしれません。
業界的に若く見られるよりも、上に見られた方が、しっかりしてそう、なんて思われるんですかね?

では、解説に移ります。

そもそも、実証と虚証ってなんだったでしょう?
簡単に言うと、
実:過剰の状態。
虚:不足の状態。
です。
丁度いいのは中庸でしたね。

それでは、実証、虚証の特徴はなんだったでしょう?
実証:体力があって元気・筋肉質でガッチリ・血色がいい・肌につやがある・声は大きくて太い・胃腸が強くて便秘ぎみ・暑がりである
虚証:体力がなくて見た目も弱々しい・体型は細くてキャシャ・顔色が悪い・肌が荒れやすい・声は細くて小さい・胃腸が弱く、下痢ぎみ・寒がりである、私。
でしたね。

もし、『虚証』という概念がわからなければ、私の様な人と教えてあげてください。

さて、そろそろ問題の解説です。

まず、添付文書の適応から

1、六君子湯
胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、
貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:
胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

2、補中益気湯
消化機能が衰え、四肢けん怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:
夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症

3、小建中湯
体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:
小児虚弱体質、疲労けん怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき

4、葛根湯
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症
感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん

もう、お分かりですね。
答えは葛根湯です。
ちなみに、使用上の注意にもこんな事が書いてあります。
病後の衰弱期、著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐等があらわれることがある。]
虚証は著しく体力が衰えているわけではないですけど、実証向きで、葛根湯は虚証には向かないんですね。

ちなみに、葛根湯から麻黄と葛根を引いた桂枝湯は
体力が衰えたときの風邪の初期
に使います。
虚証向きです。
やはり、麻黄はあまり虚証に向かない?と思ったら、
麻黄附子細辛湯では
悪寒、微熱、全身倦怠、低血圧で頭痛、めまいあり、四肢にとう痛冷感あるものの次の諸症
感冒、気管支炎
実はこれ、麻黄が入ってても虚証向きなんですね。

麻黄も時と場合によって使い分けています。
生薬の少しの違いで使い方が変わってくる。
漢方って奥深いですね。

ちなみに、六君子湯は私の愛用漢方薬です。
あっ、虚証の私でも葛根湯は飲む事ありますよ。風邪や肩こりに案外効きますよね。
でも、漢方薬は証に合わせて使い分けましょう。
これこそ、薬剤師の出番ですね♪

本日はこれまで!また、次回お会いしましょう。

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薬剤師のたまご、たまり場やくたま
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☆薬剤師のたまご、薬剤師のたまり場
☆2012年発足
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