頭痛薬で悪化する?!『薬物乱用頭痛』とは?

『薬を飲んでいるのに頭が痛い・・・』

こんな訴えをする患者さんいませんか?

images

 

もしかしたら『薬物乱用頭痛』かもしれません。

薬物乱用頭痛とは

薬物乱用頭痛は

MOHMedication Overuse Headache)とも呼ばれます。

急性期治療薬を頻回服用することが原因で起こり

「二次性頭痛」に分類されます。

服薬している薬が原因となり

頭痛が悪化している事実 を正しく理解しないと

頭痛が治らない!と、

さらに市販薬や処方箋薬を服薬してしまいます。

そうなるとますます悪化の一途へ・・・

漫然とした急性期治療薬の処方を 避けること

と同時に 患者さんへの正しい服薬指導

が重要となる疾患です。

薬物乱用頭痛の有病率は約1%

頭痛の中では

緊張型頭痛

片頭痛 に次いで3番目

頭痛を主訴に神経内科を

受診する患者の5~10%

MOHに該当するとの報告もあります。

男女比は1:1.35女性に起こりやすい

また、成人だけでなく

小児や思春期においても見られます。

特に中年女性の罹患率が高い。

診断基準

診断基準は以下の通り

【薬物乱用頭痛の診断基準】 A. 頭痛は1ヵ月に 15 日以上存在し, C および D を満たす B. 下記の薬物を 3ヵ月を超えて定期的に乱用している C. 乱用薬物の中止後,2ヵ月以内に頭痛消失,または以前のパターンに戻る エルゴタミン乱用頭痛 1ヵ月に 10 日以上エルゴタミンを摂取している トリプタン乱用頭痛   1ヵ月に 10 日以上トリプタンを摂取している(剤型は問わない) 鎮痛薬乱用頭痛     1ヵ月に 15 日以上単一成分の鎮痛薬を服用している 複合薬物乱用頭痛   1ヵ月に 10 日以上複合薬物 ( 複数の成分が含まれる頭痛薬. 市販薬に多い ) を摂取している 注 複合薬物乱用頭痛については混乱がありますが「1ヵ月に 10 日以上」を採用いしました. 引用:日本頭痛学会(http://www.jhsnet.org/)

薬物乱用頭痛に陥る原因 原因となる主な薬物は以下の通り。

*NSAIDs等の鎮痛薬

*エルゴタミン製剤

*トリプタン製剤 

最も多いのは 市販の鎮痛薬を乱用しているケース

近年はトリプタン製剤の処方が増えているため

トリプタンによるMOHの発症も報告されています。

MOHに至る平均投与回数、時間は以下の通り

トリプタン 18回/月

1.7年 エルゴタミン製剤 37回/月

2.7年 鎮痛剤 114回/月 4.8年

製剤別にみると、

トリプタン製剤はエルゴタミン製剤や鎮痛薬に比べ

より少ない服薬回数でMOHになる傾向があります。

また起因薬物を中止した後に

2~10日間続くとされる反跳頭痛は

他剤に比べてトリプタンによるMOHで

早く消失する傾向にあると言われています。

急性期治療薬の服薬回数が10回以内/月

になるように適切にコントロールし

薬物乱用頭痛に陥らないようにすることが重要なのです。

治療について

薬物乱用頭痛の予防と治療の原則は次の三点.

①原因薬物の中止

 ②薬物中止後に起こる頭痛への対応

 ③予防薬の投与

薬物乱用頭痛の原因となった薬剤は

徐々に減らす方法と

すぐに中止する方法の2種類があります。

すぐに中止する方法の方が良好な結果を

得られるといわれています.

薬物中止後におこる頭痛にはトリプタンなどで対処します.

予防薬としては,

抗うつ薬

抗てんかん薬

ステロイド

トリプタン

消炎鎮痛薬 とさまざまな薬物療法が試みられています.

とくに抗うつ薬のアミノトリプチリンは,

原因薬物の服用中止後の頭痛頻度を

有意に減少させるとの報告もあります.

薬物乱用頭痛は,原因薬物の服用中により

70%の症例で改善が得られます。

長期的には約40%が再び薬物乱用を起こしています.

薬物乱用頭痛の予防のために重要なのは

薬の飲み過ぎを避けることです.

日ごろから トリプタン 鎮痛薬 エルゴタミン製剤 などの

使用頻度が月 10 日以上とならないよう

できれば月 10 回以内の服用にした方がよいと言われています。.

この記事を書いた人

小嶋夕希子(コジゆき)
小嶋夕希子(コジゆき)濱庭球株式会社代表☆薬学5年生
☆国際医療福祉大学薬学部5年生。
☆濱庭球株式会社代表取締役。
☆横須賀出身の28歳

株・投信や不動産で学費・生活費を稼ぎながら現在に至ります。

夫との共通の趣味であるビーチテニスで学生起業し、学業との両立に四苦八苦しながら東京から栃木の大学に通っています。

将来は《薬剤師×食》で事業を起こしたい!と密かに企んでます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です